アダムズ方式とは
アダムズ方式とは,アメリカの第6代大統領のアダムズ大統領が考えたとされる議席配分方法です。
日本の衆議院の選挙制度は,今後この「アダムズ方式」を採用することになりそうです。
アダムズ方式によって,「一票の格差」問題を是正(ぜせい。悪い点を改めてより良く)することができます。
では,アダムズ方式の実際の計算のしかたを,例をあげて説明していきましょう。
アダムズ方式の計算のしかたを,ざっくり説明すると,
各都道府県の人口を『除数』で割った商の小数点以下を切り上げた数を,その都道府県の議席数とする。
となりますが,『除数』って何なのか,意味不明ですね。
そこで,人口 180 万人のA県,105 万人のB県,75 万人のC県に,10 議席を配分する という例で,考えてみましょう。
ここで,『除数』をめちゃくちゃ適当に,10万 にして計算してみると,
A県 : 180万÷10万=18 議席
B県 : 105万÷10万=10.5 を切り上げして,11 議席
C県 : 75万÷10万= 7.5 を切り上げして, 8 議席
このように議席を配分すると,A・B・C県合わせて,
今度は,『除数』を 40万 にして,もう一度計算してみます。
A県 : 180万÷40万=4.5 を切り上げして,5 議席
B県 : 105万÷40万=2.6… を切り上げして,3 議席
C県 : 75万÷40万=1.8… を切り上げして,2 議席
このように議席を配分すると,A・B・C県合わせて,
以上のように,『除数』をうま~く調整して,ぴったり全議席数に合わせるようにする方法が,「アダムズ方式」なのです。
アダムズ方式をもっと理解するために,練習問題を用意しました。やってみて下さい。
また,衆議院小選挙区の議席数をアダムズ方式で計算する も参考になると思います。