東海道チャリ旅行
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第5日 2010年3月24日(水) 四日市から三条大橋(京都)まで
本日は朝から雨。おそらく,ずっと雨。
停滞前線が不気味に横たわっています。
本日は京都に行くか断念するかという,重要な決断を突きつけられる日です。
鈴鹿峠は,箱根峠に匹敵するような,険しい峠なのでしょうか。
無理はしないができれば京都まで行きたい。行ってみたい。
本日は起きたら5時にホテルを出発。雨は結構降っています。
これからずっと,雨の中のサイクリングだと思うと,気がメイりますな〜。
1時間ほど走って,石薬師へ。
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第四十四次 石藥師
広重 | 現在 |
![石藥師](h_ishiyakushi.jpg) |
![石藥師](ishiyakushi.jpg) |
庄野あたりでは,雨は小降りになってきた。これなら鈴鹿越えは大丈夫かも…。
少なくとも広重さんの絵よりは,雨の勢いはゆるやかだぞ。
第四十五次 庄野
広重 | 現在 |
![庄野](h_shouno.jpg) |
![庄野](shouno.jpg) |
亀山駅前の交差点で右折し,亀山城跡へ。けっこう,坂がキツかったです。
第四十六次 亀山
広重 | 現在 |
![亀山](h_kameyama.jpg) |
![亀山](kameyama.jpg) |
ホントは,ここでちょいと寄り道して,シャープの亀山工場を見てみたかったんですよね〜。
でも,雨で中止。というよりは,設備の一部を中国企業に売却することを新聞で見たとたん,見学する気がなくなってしまったんです。
第四十七次 関
広重 | 現在 |
![関](h_seki.jpg) |
![関](seki.jpg) |
関とは,鈴鹿の関のことだそうで,関所なだけに,結構大きい宿場町でした。
ここを過ぎると,とうとう本格的な上りです。
絶え間なく,雨は降り注ぐ,最悪な状況。
とにかく上らねば…。
ところで,わたしゃー,何のためにこんなことやってんだろう。…
ひーこら上っていくと,途中で小さな集落が出現。
ここが,どうやら坂下宿らしい。
第四十八次 坂下
広重 | 現在 |
![坂下](h_sakanoshita.jpg) |
![坂下](sakanoshita.jpg) |
もし雷が鳴ったら,どこかのお宅に無理矢理おじゃまさせてもらおう!
そう思いながら,ほんの百メートルも進むと,もう人家は見当たらなくなります。
国道1号線は,上りと下りの2本に分かれました。
歩道があるのは下り線の方で,対向車が忘れたころにやってきますが,歩道は完全に分離されているので,危ないと感じることはありません。
雨は降り注ぐ,上りはキツい,ゴールは見えない。
「ここでやめて逆戻りしたら,下りなので楽に関宿まで戻れるよ」という,もう1人の自分のささやき。
もう……,やめよーかな!
つい,口に出てしまった言葉…。
文字にすると,私のテンパり感がちょっと,伝わらないような気がする。
ホントはもっと,ギリギリで出た言葉。
口ではそう言いつつ,チャリを惰性で押して上っていく。
心の中では,49.9%は戻るつもりでしたね。
チャリのきびすを返すのが面倒で,そのまま何も考えず動いていた,というのが,正直なところ。
そのまま,5分間くらいヅラヅラ上ったときでしょうか。
とつぜん,
鈴鹿峠!
という小さな広場が見えました。
きっとここが鈴鹿峠の観光スポットに違いない。
ということは,ここが頂上に近い場所なのだろう。
だとしたら,ここで戻るのはかえって面倒なのではないか。
このような思いが頭を巡りながら,やはりチャリを惰性で押していく。すると,
鈴鹿トンネル,発見!
とうとう来ました鈴鹿峠。鈴鹿峠,ゲットーーー! ここまで来りゃあ,あとはもう,進むしかない。戻った方が面倒。
嬉々として下っていきましたよ。いやー感動的。戻らないで良かった。マジで,究極の選択でした。
今,あらためて考えると,鈴鹿峠は箱根峠の半分にも満たない,いや3分の1くらいでしょうか。
もし雨が降っていなかったら,結構余裕の峠ではないでしょうか。(負け惜しみ)
第四十九次 土山
広重 | 現在 |
![土山](h_tsuchiyama.jpg) |
![土山](tsuchiyama.jpg) |
雨で路面はかなり濡れています。現在の土山宿の写真の,右手にあるのが田村神社。
何でも,坂上田村麻呂に関係した神社だそうで…。由緒正しいですねホンマに。
北海道で生まれた人間としては,その〜,歴史ある存在に,非常に弱いわけで。
とうとう,滋賀県に入ってしまいました。
あと,制覇するのは,京都府だけになってしまいました。
思えば遠くに来たもんだ。(久しぶり)
ところで,甲賀市のマーク,何となく手裏剣を思わせます。
昔の少年誌って,忍者と零戦などの戦闘機が重要なファクターを占めていまして,特に「伊賀の影丸」とか「紫電改のタカ」とか,夢中になって読んだものです。
紙を折って手裏剣を作ったりね。
昔から,マンガとテレビが大好きだったワタシ…。
水口宿の入り口。どっちの道を通ればよいのか迷いました。
結局,右側の道を通ったのですが,途中で「ち,ちがう…」と思い,戻ってから左側の道を通りました。
どっちも,東海道だったのかも…。
第五十次 水口
広重 | 現在 |
![水口](h_minakuchi.jpg) |
![水口](minakuchi.jpg) |
気がつかないうちに第五十次になっていました。
あと3宿と,京都の三条大橋だけと思うと,名残惜しいです。
第五十一次 石部
広重 | 現在 |
![石部](h_ishibe.jpg) |
![石部](ishibe.jpg) |
広重さんは,草津宿にほど近いところにある,「目川の立場」を描いています。
立場とは,宿場と宿場のあいだにある,お休み処のことです。
旅人が,つえを「立て」て休んだことが,名前の由来だそうです。
第五十二次 草津
広重 | 現在 |
![草津](h_kusatsu.jpg) |
![草津](kusatsu.jpg) |
広重さんは,石部に続いて草津でも,立場の茶屋「うばがもちや」を描いています。
道路の反対側から撮影しましたが,今でもお客さんがひっきりなしに出入りしています。
私も買いたかったのですが,グショグショ雨ガッパでお店に入るとドン引き〜ということで,泣く泣くあきらめました。
第五十三次 大津
広重 | 現在 |
![大津](h_otsu.jpg) |
![大津](otsu.jpg) |
とうとう,東海道五十三次の最後,大津宿です。
東海道五十三次とは,スタートが東京の日本橋,ゴールが京都の三条大橋,その間に53の宿場町があるということで,日本橋と三条大橋の2つを入れると55になります。植木算?
そしてついに京都府へ!
もうすぐ,チャリ旅行は終わってしまうんですね。
もう,箱根峠も鈴鹿峠も制覇したし,楽にゴールインできるだろうと,たかをくくっていたのですが,それがとんでもないマチガイでした…。
象ゲット!
このあと,国道1号線は,三条大橋にそのまま向かう「三条通」が分かれていきます。そっちが旧東海道。国道1号線は,東山五条の方に行くみたい。
このときの,私の精神状態はどうだったんでしょう。今となっては全然わかりません。とにかく,どういうわけか,私は国道1号線を進むことにしたのでした。
途中,バス停にいたにいちゃんが,私の方を見てニヤッとしたような気が,…。
そのまま進んでいくと,
東山トンネル!
なんか,結構せまいトンネルなんですけど…。
車はビュンビュン通るし,滅茶苦茶怖いです。
あー,さっきのにいちゃん,
「どうせあのオヤジ,恐れをなしてもどってくるだろ。」
と思ったんじゃないかい。なんかシャク…。
よく見ると,歩行者通行禁止の標識はかかっていましたが,自転車走行禁止の標識はない。
ならばええい行ったろと思って,トンネルの中に入っていきました。
後ろから車が私をビュンビュン追い越していきます。
チョー怖い!
早くトンネルを抜けたい…。
ヨ,良い子はこんな危険なマネをするのはやめましょうね。
結局,トンネルは結構短かったのですが,車にハネられる恐怖はかなりのものでした。
後日グーグルマップを見ていると,何と歩行者用道路があったんですね。気づかなかった…。
でも,この歩行者用道路,進んで行くとトンネルがあるんですが,そこは心霊スポットになっているそうですよ。
まあ,霊よりも車の方が怖いのはまちがいありませんが…。
最終 三条大橋
広重 | 現在 |
![三条大橋](h_kyouto.jpg) |
![三条大橋](kyouto.jpg) |
とうとう着きましたっ!三条大橋!京都です。
京都はこれまで何度も遊びで来ていますが,新幹線で着くのとチャリで着くのでは大ちがい。
当たり前ですが,東京と京都は陸でつながっていたんですね(おいおい)。
いやー,超,感動です!
でも,東京からチャリで来たんだぞー的なオーラを出すのは恥ずかしいので,さりげなく,見つからないように橋を撮影。
このあと,橋の西のたもとにあるお菓子屋さんでおみやげのお菓子を買い,すぐ京都駅に向かい,コインロッカーの脇でビショ濡れの服の着替えをしました。(犯罪になるほどは脱ぎませんよ。)
皆さん,見て見ぬフリをしてくれました。ありがとう。
三条大橋に着いてから,1時間ちょっとで新幹線の車中の人となり,それからたった2時間で東京品川にもどってきたのでした。
京都観光は何もなし…。
今回の旅行,雨にはさんざん悩まされ,ジャマされました。が,本当に面白かったです。いろんなことがありました。
面白かったベストテンを考えてみました。
- ニワトリ (これが1位かよ…)
- 武蔵小杉駅でのマジギレおじさん (動画で撮りたかった…)
- 箱根峠 (下りが怖かった)
- 鈴鹿峠 (もう戻ろうと思った)
- 東山トンネル (心霊スポットの方がマシ?)
- 安倍川もちオジサン (気安く声をかけないでちょうだい)
- 袋井から見付あたりのチャリオジサン (ニヤッとした顔が忘れられない)
- 古い町並み (蒲原,二川など,結構残ってます)
- 富士川 (雄大そのもの)
- 国道1号最高地点到達 (標高874m!)
次は…,生きているうちに,五街道の東海道以外か,あるいは京都よりももっと西に行ってみたいです。
がんばるぞー!