|
問題 AB=ACの二等辺三角形ABCがあり,角Aは20°です。いま,辺AC上に点D,辺AB上に点Eがあり,DからB,EからCに直線を引いたところ,角DBC=60°,角ECB=50°となりました。
DからEまで直線を引いたとき,角BDE(図のχ)は何度ですか。
|
|
昔から有名な難問です。中学生の知識で解けます。小学生でも理解することはできます。
いろいろな解き方がありますが,そのうちの1つをご紹介します。
まず,三角形ABCは二等辺三角形ですから,角ABCと角ACBは等しく,
(180°−20°)÷2=80°です。
よって,左図のように,角EBD,角DCEは,それぞれ,
80°−60°=20°,80°−50°=30°です。
|
|
ここで,辺BCと平行になるように,Dから直線を引き,辺ABと交わった点をFとします。
|
|
辺FDと辺BCとは平行ですから,角AFDは角ABCと等しいので80°,角ADFも角ACBと等しいので80°です。
|
|
ここで,FからCまで直線を引きます。
|
|
三角形DBCと,三角形FCBとが合同であることを,これから証明していきます。
|
|
まず,辺ACと辺ABとは,(三角形ABCは二等辺三角形なので)同じ長さです。
|
|
また,辺ADと辺AFとは,(三角形AFDは二等辺三角形なので)同じ長さです。
|
|
よって,辺DCと辺FBも,同じ長さになります。
|
|
また,辺BCは,両方の三角形に共通で,
|
|
角DCBと,角FBCは,どちらも80°なので等しいです。
よって,二辺とそれをはさむ角が等しいことになり,
三角形DBCと,三角形FCBとが合同であることが,証明できました。
|
|
ところで,角DBCは60°で,角BDCは,
180°−(60°+80°)=40°です。
|
|
合同ですから,角FCBは60°,角CFBは40°です。
|
|
左図のように,いろいろな角度がわかってきましたね。
|
|
ここで,辺DBと辺FCとが交わった点をGとします。
|
|
すると,三角形GBCは,すべての角が60°となり,正三角形です。
|
|
また,角FGDも(角BGCと等しいので)60°です。
角DFGも,180°−(80°+40°)=60°です。
|
|
よって,三角形FGDも,すべての角が60°となり,正三角形です。
|
|
正三角形は三辺の長さが同じですから,左図のように記号をつけて,同じ長さであることを示しておきます。
|
|
さて,ここで,三角形EBCについて考えてみましょう。
この三角形は,すでに2つの角の大きさがわかっています。
ですから,
|
|
角BECの大きさは,
180°−(80°+50°)=50°です。
50°が2つあることに気づきましたか?
|
|
よって,三角形EBCは二等辺三角形となり,辺BEと辺BCは同じ長さです。
辺BCを●で表したのですから,辺BEも●で表します。
|
|
辺BEと,辺BGが,同じ長さになりましたね。
|
|
ということは,EからGまで直線を引いて三角形BEGを作ると,この三角形は二等辺三角形になります。
角EBGは20°ですから,
|
|
角EGBは,(180°−20°)÷2=80°です。
|
|
角FGEは,180°−(80°+60°)=40°です。
|
|
すると,角EFGも角EGFも40°となり,三角形EFGは二等辺三角形になります。
|
|
左図のように,同じ長さの辺に■の記号をつけました。
|
|
いよいよ,最終段階に入ってきました。
○と○は同じ長さ,■と■も同じ長さ,辺DEは共通ですから,青色の三角形と赤色の三角形とは,合同になります。
|
|
合同ならば,対応する角も同じ大きさなので,左図の赤い点どうしも同じ大きさです。
|
|
ところで,左図の赤い三角形は,正三角形でしたね。
ですから,赤い点2つで,60°になっているはずです。
|
|
左図のχの角度は,60°÷2=30°となります。
答え 30度
|
|