次の例題で,約数を使った文章題の解き方を理解しましょう。
例題: 50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。 (答えは次のページ)
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
このような問題を解くときは,お金とかテープとか,現実の「もの」を考えると解きやすくなります。 たとえばお金にして考えてみます。 「50円を割ると2円あまる」というのは,どういう意味なのか,考えてみましょう。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
「50円を割ると2円あまる」というのは,
たとえば「自分が全財産の50円を持ってお店に行って,たとえば梅ジャムを買えるだけ買ったとすると,最後に2円残る。」
という意味です。このときの,梅ジャム1個のねだんとして考えられるものをすべて求める,という問題です。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
50円を持って行って2円残るのですから,梅ジャムを何円ぶん買ったのかがわかりますね。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
50−2=48(円)ぶんを使ったのです。 ということは,梅ジャム1個のねだんは,たとえば10円ではありません。 なぜなら,全部で48円ぶん使ったはずなのに,梅ジャム1個が10円なら,ぴったり買えないからなのです。 つまり,梅ジャム1個のねだんは,48円でぴったり買えるような金額,つまり,48円の約数 になっているはずです。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
48の約数は,以下の通りです。
1,2,3,4,6,8,12,16,24,48
ところが,これ全部を答えとして書いては×になります。 なぜなら,最後に2円残ったからです。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
48の約数は,1,2,3,4,6,8,12,16,24,48でした。 もし梅ジャム1個が1円ならば,最後に2円残るわけがありません。 なぜなら,残った2円で,まだ梅ジャムを買うことができますから,買えるだけ買ったことにならないからです。 同じようにして,梅ジャム1個が2円だとしても,最後に2円残るわけがありません。残った2円で,まだ梅ジャムを買うことができるからです。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
つまり,48の約数である,1,2,3,4,6,8,12,16,24,48のうち,「最後に2円残る」のですから,2円以下の梅ジャムのねだんはダメ,ということになります。 1,2,3,4,6,8,12,16,24,48 となって,答えは,3,4,6,8,12,16,24,48 です。
|
50を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 3,4,6,8,12,16,24,48
この問題の解き方を整理しましょう。 50を割ると2あまる → 50円を持って行って買えるだけ買うと2円あまる → 50−2=48(円)ぶん使った → 1個のねだんは,48の約数…1,2,3,4,6,8,12,16,24,48 → 2円残ったのだから,2円以下のねだんはダメ → 1,2,3,4,6,8,12,16,24,48
|
ではここで,類題を出しますから,解いてみてください。
類題: 10を割ると2あまる数をすべて求めなさい。 (答えは次のページ)
|
10を割ると2あまる数をすべて求めなさい。
答え: 4,8
10を割ると2あまる → 10円を持って行って買えるだけ買うと2円あまる → 10−2=8(円)ぶん使った → 1個のねだんは,8の約数…1,2,4,8 → 2円残ったのだから,2円以下のねだんはダメ → 1,2,4,8
|
もう1問,類題です。 ちょっとだけ内容を変えましたら,注意して問題を読んでください。
類題: 21を割ると3あまる数すべての和を求めなさい。 (答えは次のページ)
|
21を割ると3あまる数すべての和を求めなさい。
答え: 33
21を割ると3あまる → 21円を持って行って買えるだけ買うと3円あまる → 21−3=18(円)ぶん使った → 1個のねだんは,18の約数…1,2,3,6,9,18 → 3円残ったのだから,3円以下のねだんはダメ → 1,2,3,6,9,18 → 和を求めるのだから,6+9+18=33
|
|