まず復習として,次の問題を解いてください。 (1) 12の約数をすべて求めなさい。 (2) 18の約数をすべて求めなさい。 (答えは次のページ)
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答えは,次の通りです。 (1) 12の約数 … 1,2,3,4,6,12 (2) 18の約数 … 1,2,3,6,9,18
では次の問題にも答えてください。 「12の約数でもあるし,18の約数でもある数を求めなさい。」 両方に共通した数を求めればよいのですから,かんたんですね。 (答えは次のページ)
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答えは,1,2,3,6 です。
12の約数と18の約数は,次の赤色の数が共通しているからです。 12の約数 … 1,2,3,4,6,12 18の約数 … 1,2,3,6,9,18 共通の約数のことを,公約数(こうやくすう)といいます。 12と18の公約数は,1,2,3,6です。
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前のページで求めた通り,12と18の公約数は1,2,3,6でした。 では,次の問題も解いてください。
問題 「12と18の最大公約数を求めなさい。」
最大公約数ってことばを知らなくても,何となくわかると思います。 (答えは次のページ)
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答えは,6 です。
12と18の公約数は1,2,3,6ですから, もっとも大きい公約数,つまり「最大公約数」は6になるわけです。 ではここで,次の問題を解きましょう。
問題 20と30の最大公約数を求めなさい。 (答えは次のページ)
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答えは 10 です。
解説 20の約数は 1,2,4,5,10,20 です。 30の約数は 1,2,3,5,6,10,15,30 です。 公約数は 1,2,5,10 ですから,最大公約数は 10 になります。
このように,最大公約数の求め方は,とてもめんどうです。 でも,もっとかんたんな「連除法(れんじょほう)」という求め方があります。
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連除法による,最大公約数の求め方を説明します。 たとえば,12と18の最大公約数を求めてみます。 まず,12と18を次のようにならべて,わり算のさかさま のようにします。 ) 12 18
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このように2を書きます。 12÷2=6,18÷2=9 ですから,
2 ) 12 18
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このようになります。
さらに,6 も 9 も 3 で割れますから,
2 ) 12 18 6 9
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このようになります。
2 ) 12 18 3 ) 6 9 2 3
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そして,左がわの数の積が,最大公約数になります。 12と18の最大公約数は, 2×3=6 となります。
2 ) 12 18 3 ) 6 9 2 3
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同じようにして,20 と 30 の最大公約数を求めてみます。
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20 と 30 を,さかさわり算の形に書きます。
) 20 30
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20 と 30 も,2で割ることができます。
2 ) 20 30 10 15
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さらに5で割ると, このようになります。
2 ) 20 30
5 ) 10 15 2 3
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左側の数の積が,最大公約数になります。
10と15の最大公約数は,10 です。
2 ) 20 30
5 ) 10 15 2 3
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もちろん,はじめから10でわって, 一気に最大公約数を求めてしまっても OKです。
10 ) 20 30 2 3
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では,
問題 12と17の最大公約数を求めなさい。
という問題を,連除法を使って解くと,どうなるでしょう。
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12 と 17 は,
両方とも割ることのできる数がありませんね。
困りました。
) 12 17
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ところで,12の約数は 1,2,3,4,6,12 で,
17の約数は,1,17 ですから,
共通の約数は,1 しかありません。つまり,
12と17の公約数は,1 です。
公約数が1個しかないので,もちろん最大公約数も 1 です。
つまり,
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連除法において,両方を割る数が1以外にはない場合は, しかたがないので 1 で割ることにします。 最大公約数は 1 になります。
1 ) 12 17 12 17
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3つの数の最大公約数のときでも,やり方は同じです。 3つの数を割り切るような数で割っていきます。
18 と 30 と 42 のときは, 最大公約数は 2×3=6 になります。
2 ) 18 30 42
3 ) 9 15 21
3 5 7
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ところで,連除法によって最大公約数を求めることができたら,公約数を求めることは簡単です。
例として,次の問題をやってみてください。
問題(1) 12と18の公約数を求めなさい。 問題(2) 12と18の最大公約数の約数を求めなさい。
(答えは次ページへ)
問題(2)は,問題文がややこしいので注意しましょう。
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問題(1) 12と18の公約数を求めなさい。 問題(2) 12と18の最大公約数の約数を求めなさい。
問題(1)の答えも,問題(2)の答えも,両方とも 1,2,3,6 です。
12の約数は,1,2,3,4,6,12 で, 18の約数は,1,2,3,6,9,18 ですから, 問題(1)の答えは,両方に共通の約数なので,1,2,3,6 です。 また,12と18の最大公約数は6で,6の約数は,1,2,3,6 ですから, 問題(2)の答えも,1,2,3,6 です。
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つまり,
公約数を求めるときには, まず最大公約数を求め,次に,その約数を求める。
という求め方をします。
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では,まず最大公約数を求め,次に,その約数を求める。 というやり方で,公約数を求めてください。
問題(1) 36と60の公約数をすべて求めなさい。 問題(2) 42と56と84の公約数をすべて求めなさい。
(答えは次ページへ)
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問題(1) 36と60の公約数をすべて求めなさい。 問題(2) 42と56と84の公約数をすべて求めなさい。
問題(1)の答えは,1,2,3,4,6,12 です。 問題(2)の答えは,1,2,7,14 です。
(解説は次ページへ)
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問題(1)の解説 2) 36 60
2) 18 30
3) 9 15 3 5
最大公約数は,2×2×3=12 です。 12の約数は,1,2,3,4,6,12 ですから, 36 と 60 の公約数も,1,2,3,4,6,12 です。
問題(2)の解説 2) 42 56 84
7) 21 28 42
3 4 6
最大公約数は,2×7=14 です。 14の約数は,1,2,7,14 ですから, 42 と 56 と 84 の公約数も,1,2,7,14 です。
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